藍を建てる
亡くなった友人の家にあった甕をゆずりうけて9年。
甕は冬の寒さの中でも屋外に置いてきました。保温の手立てなく、置くスペースなく。
当然、春を迎えた時にはチーンと全てが底に沈殿して染まる状態ではありません。
気温が上がって暖かくなってから助剤や藍を足して何とか染め続けてきました。
9年間。捨てられなかった藍液でした。
でも、それを地面に還してやることが出来るのではと思えた時に気持ちが変わりました。
地面に還してやりながら春になれば新しい藍を建てればす良いと。(遅すぎる気づき)
今回は薪ストーブから出る草木灰を使ってみようと突然思いつきました。(これも遅すぎる気づき)
量ることもせずに投入。
最初は液の色は文字通り草木灰の「灰色」でした。
それが時間の経過と共にじわじわと小さな泡が下の方から浮き上がってきます。
まるで、息をしているかのようです。
泡が増えて集まって、藍の華ができました。
藍が生きていると実感できます。
良かった!草木灰で成功!
早速、染めてみたくなって首に巻いていた綿麻のストールを甕の中へ。
あーっと!小さな炭が混ざっていて、所どころ炭の黒い色が付着しているでは!
何とか炭が付いたところを揉み洗いして目立たなくしました。
明日、炭をザルでこして取り除かなければ。
なんだかんだとやっているうちに夕方になっていました。